またもサミュエルのイイ仕事

gakus2008-12-26

 『ジャンパー』のヘンテコな悪役から『アイアンマン』のチョイ役まで、どんな仕事でもやってしまうサミュエル・L・ジャクソンは見る度に凄い俳優と思えてくる。そんな何でも屋さんが、レニー・ハーリン監督の新作サスペンス『ザ・クリーナー』(2月公開)では死亡事件の現場専門の掃除人という、これまた面白いキャラクターに扮している。

 警察の現場検証が終わった後に血のりやら臓物やらの血生臭い痕跡を消し去り、その部屋を元通りにする仕事を専門にする主人公サミュエル。ある日、豪邸で起きた射殺事件の現場の掃除にあたった彼は、雇い主と思われた被害者の妻が”掃除”のことをまったく知らずにいたことに疑問を抱く。この射殺事件には裏があり、どうもヤバいことに首をつっこんだらしい。殺人の容疑者になりかねない状況から脱するため、彼は真相を探り始める…。大雑把なハーリン演出ゆえにツッコミどころは多いけれど、それでも見れてしまうのは、やはりサミュエルが発するヤクザ・グルーヴのお陰。イイ仕事するなあ。

 そんなサミュエルの掃除人仕事を紹介する冒頭のシークエンスでスティービー・ワンダー作、RUFUS & CHAKA KHANの"TELL ME SOMETHING GOOD"が流れる。このシーンはパーティの席でサミュエルが他の客に、どんな仕事をしているか話している、というシチュエーション。老女の孤独死現場のことを語り”死体はデカい商売なるんだ”と、曲のとおり面白そうに話すサミュエルだが、聞いてる方は”良い話”とは思ってなさそうだ。

 ジャケはこの曲を収めたルーファス&チャカ・カーンのアルバム『RAGS TO RUFUS』、1974年リリース。サミュエルには、この時代のトッポいソウルが似合う。