全肯定

gakus2009-03-10

 ジム・キャリーがお得意の顔面芸に加え、ハートウォーミングな笑いを提供してくれる『イエスマン "YES"は人生のパスワード』(3月公開)のお話。

 離婚以来、人付き合いを避けるようになった銀行員(ジム・キャリー)が友人に誘われ、何を言われても”ノー”と言わず”イエス”と答えることを推奨している自己啓発セミナーへ。その教祖(テレンス・スタンプ)の指示により、すべてに”イエス”と答えることを義務付けられた彼は、次第に物事をポジティブに受け入れるようになり、そのおかげでアマチュア・バンドのボーカリスト(ズーイー・デシャネル)と恋仲となるのだが…。自己啓発セミナーは好きじゃないけれど、こんな女の子と仲良くなれるなら、イエスと言い続けるのもいいかもな……と、思えるぐらい、この映画でのズーイーはカワイイ(正直言うと、スクリーンで見た彼女をカワイイと思ったのは今回が初めて。シャマランも、この撮り方を見習うべきだったのでは)。

 で、彼女ふんするヒロインは”ミュウンヒハウゼン症候群”なるアバンギャルドなバンドのボーカルを務めている。ズーイーがミュージシャンとしても鳴らしているのはご存じのとおりだが、本作でもしっかり歌を披露しているんだけど、自然体で、それでいて歌心を失わないボーカルという点で稀有なものを感じる。キャリーが歌うビートルズの"CAN'T BUY ME LOVE"にしっかり合いの手を入れるところもロマンチックでイイ感じ。

 以下、選曲ネタ。オープニングからJOURNEY"SEPERATE WAYS"が勇ましく鳴り響いて笑っちゃうんだが、これがキャリーのケータイの呼び出し音で、その後もしばし鳴り響く。また、彼がズーイーとの交際前、彼女に誘われて早朝ジョギングに行くハメになるシーンではBLOC PARTY"HELICOPTER"が。だいぶ前向きな性格になったとはいえここで”まだ希望を持ってるのか?”と皮肉っぽく歌われるのは自己ツッコミのようなものか?

 ジャケはブロック・パーティ、UK盤シングル『HELICOPTER』、2004年リリース。