早くしないと”3”が…

gakus2009-11-21

 売値が高くて、いまだ日本公開のメドが立たないロブ・ゾンビ監督の『Halloween II /ハロウィン2』。ジョン・カーペンターの傑作ホラーをリメイクした前作は意欲的なドラマ作りが賛否両論を呼んだが個人的には断然アリ、だ。で、その続編となる本作は、バイオレンスをしっかり見せる前作の侠気を踏襲しつつ、はちょっと違ったアプローチで押してくる。

 前作で殺人鬼マイケル・マイヤーズの魔の手から生き残ったヒロイン、ローリーは、同じく九死に一生を得た友人の父親である保安官の家に引き取られる。前作では優等生っぽい雰囲気だったローリーも、ハロウィンの惨劇がトラウマとなったのか、今ではすっかりゴスロック少女。そして再びハロウィンが訪れ、マイケルが再び姿を現わす…。

 今回のマイケルは母と幼少期の自分の幻影に突き動かされるかのように殺人を犯す。このふたりが、時々、幻影ではなく幽霊のように他人の視界にも入ってくるので、ちょっとしたオカルト風味。マイケルの妹であるローリーにも見えるのだが、このあたりは血の因縁というべきか。また、マルコム・マクドウェルふんするルーミス博士が再登場するが、今回は頼れるドクターというよりむしろコメディ・リリーフ。また、エンディングがインパクト十分で、制作が決定しているらしいパート3にも期待を抱かせる。

 映画の冒頭のシークエンスは、入院していたローリーがマイケルに追いかけられ、必死に逃亡する箇所がある。ここで逃げ込んだ警備員室のTVから、ムーディ・ブルースの“サテンの夜”のパフォーマンス映像が流れてくる。これは結構貴重なフッテージなのでは。ロブ・ゾンビはハードコアな音楽のイメージが強いが、70年代ロックにも造詣が深いのは『デビルズ・リジェクト』でも明らかで、その辺の趣味が垣間見えるこだわりのセレクト。他にもラウドなロックが鳴っているが、印象に残るのはやはり不気味な響きがあるこっちかな。

 ジャケは1967年リリース、THE MOODY BLUES『DAYS OF FUTURE PASSED』。

 劇中で見られるフッテージはたぶんコレ↓。劇中のものはモノクロだったが、こっちはカラー。