さほどエロくはないが
7月12日のエントリーで触れた『JUNO/ジュノ』の脚本家ディアブロ・コディの新作『JENNIFER'S BODY』を、先日の出張時に鑑賞。全米ではあまり評判が宜しくながったが、それは自分のようにミーガン・フォックスのエロ目当てで見た観客が多かったからでは?ドラマ的には、言われるほど悪くないと思う。
主人公はミーガンふんするクーガー女子高生ではなく、むしろ友人の地味なメガネっ子(『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライド)の方。彼女たちはある夜、ロック・バーに出かけるが、ミーガンはそこに出演していたライブ・バンドにノコノコとついていく。その日から、彼女の身に異変が。アマンダはいち早くそれに気付き、同時に人肉食ビッチと化したミーガンに翻弄される…というお話。ミーガンはそれなりにエロさを発揮している上に、殺戮描写も申し分ないが、それ以上にコワいのはアマンダの変貌ぶり。ギークな女の子が肉食系に変わる過程がリアルで、妙な生々しさを感じさせるのはコディの繊細なドラマ作りからくるのかもしれない。
学園モノの定石に外れることなく、今のロックがガンガン鳴っているのだが、反応する部分に乏しかった(オッと思ったのは、ミーガンの部屋でかかっているLITTLE BOOTS"NEW IN TOWN"が、いかにもびっちぃ感じだったことぐらいか…)。むしろ、自分の年齢的に反応するのは懐かしい曲の方。ロック・バーからミーガンを拉致するロックバンドは、トミー・ツートンの82年のヒット曲”867-5309/Jenny”を、”ジェニファー、おまえをとっつかまえたぜ!”とばかりに合唱するシーンにニヤリ。さらにエンディングはブロンディ/BLONDIE”IN THE FLESH"とくれば、しみじみせざるをえない。監督のカリン・クサマ(『ガール・ファイト』『イーオン・フラックス』)は自分と同世代だが、こんな選曲に自己を投影したのではないかと思えてくる。
ジャケはTOMMY TUTONE、”867-5309/Jenny”を収録した1981年のアルバム『TOMMY TUTONE 2』。今聴き直してもイカす。シンプル・イズ・ベストなロックンロール・アルバム。
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