役に立たない名言集2011 その2

gakus2012-01-09

  昨日に続いて、2011年公開作の名言・迷言集を。新成人の座右の銘には決して向かないが、話のタネぐらいにはなるかもだ。字幕どおりではないこと、何卒ご了承を。


“成功したければ善人になり過ぎるな”(『ツリー・オブ・ライフ』)
 善人でもないけど、成功もしていない

“重要なのは楽か、面倒か、だ”(『スペイン一家監禁事件』)
 この人も、違うよなあ

“食欲と意欲は別物だ”(『マイティ・ソー』)
 比べるものか?

“ブラックコーヒーをくれ。シュガー入りで”(『ドライブ・アングリー』)
 今やこういうセリフがすっかり似合う、ニコラス・ケイジってスゲエ。

“僕は売春の誘惑に弱い。男女を問わず”(『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』)
 しっかりして下さい

“アフリカの飢えた子も親の愛に包まれているのに、僕は不幸。それにブサイクだ”(『スーパー!』)
 もっとしっかりして下さい

“人間は周りの人によって笑い方を変える”(『モンスータズ 地球外生命体』)
 そういわれると、ドキッとするな

“地球を2度も救ったのに、職がない”(『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』)
 就職難の格差社会、極まれり

“俺がクビになっても、世界は何も変わらない”(『カンパニーメン』)
 弱気はいけません

“俺をクビにしたら何をするかわからんぞ”(『ブリッツ』)
 それでこそ、男!

“俺は拷問に値する”(『4デイズ』)
 この人も何だか、男らしい

“女の仕事に男は不要”(『ワイルド・スピード MEGA MAX』)
 オトコマエな女子もいました

“UFO暮らしが懐かしい”(『人世、ここにあり!』)
 こういうことを懐かしめる、そんな体験がしたい

“俺の星じゃ、皆がバイセクシャルだ。楽しけりゃ何でもいい”(『宇宙人ポール』)
 この星での体験も面白そうだ

“セフレがいるなんて最高じゃない!やりまくって!”(『ステイ・フレンズ』)
 地球人の母ちゃんが言うセリフじゃないなあ

“『スター・ウォーズ』の悪口を言うな!”(『アザーガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』)
 この人もUFO暮らしがしたいクチ

“濡れたTシャツ、見たかった…”(『ピラニア3D』)
 忌の際の言葉がそれですか!?

“子どもは万引きしながら大きくなるもんだ”(『アジョシ』)
 それ、大人が言っていいのか!?

“愚行には年齢制限がある”(『ラビットホール』)
 自分の年齢より上であってほしい

“パパはかっこよくなったけれど、幸せじゃない”(『ラブ・アゲイン』)
 どらかというと幸せを選ぶ

“馬に謝れ!”(『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』)
 逆のことは週末ごとに思う

“俺は心が汚れてるから厨房係になった”(『新少林寺』)
 厨房係に謝れ、ジャッキー!

“よくも私のおっぱいを見たわね、セールスマンのくせに!”(『ラブ&ドラッグ』)
 セールスマンに謝れ、ヘボ司会者のくせに!

“銀行強盗なんて簡単だ。『ハート・ブルー』も見てるし”(『ピザボーイ 史上最凶のご注文』)
 銀行強盗にも謝った方がいいかな?

“核戦争は、人類がより強く再生するうえで自然なことだ”(『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』)
 こんなことを発表できる学会って、どうよ!?

“いらなくなったら、何でも捨てるの?”(『リアル・スティール』)
 これは考えないとね、マジで

“ちょっと待ってて、世界を救ってくるから”(『ミッション:8ミニッツ』)
 一生に一度でいいから言ってみたい

“キモい! でも、つい何度も見ちまう”(『50/50 フィフティ・フィフティ』)
 そういう映画に、今年はたくさん出会いたいぞ


 ジャケは、『50/50』で主人公のガンが発覚するシーンで鳴っていたRADIOHEADの"HIGH & DRY"、1995年リリースのUK盤シングル。

役に立たない名言集2011

gakus2012-01-08

 今年も宜しくお願いします! というわけで新年恒例、前年の映画ロケンロー迷言集。役に立つか否かはロケンローなハート次第!? 記憶の不確かさゆえ、中には字幕や言語に忠実でない“超訳”もあります。何卒ご了承ください。


“俺はヒーローだが、おまえは助手だ”(『グリーン・ホーネット』)
 上司が部下に決して言ってはいけないひと言

“今までで一番バカなアイデアです”(『グリーン・ホーネット』)
 部下が上司に決して言ってはいけないひと言

“酒は気分のいいときだけ飲め”(『幸せの始まりは』)
いつも気分がいいとアル中になりそう

“これは自殺願望が出てきたときに飲む酒だ!”(『恋とニュースのつくり方』)
 どんなか知らんが飲んでみたい

“仕事中に飲んでいないと、自分がイヤになる”(『ザ・ファイター』)
 最高の仕事だ!

“女に酒の匂いを嗅ぎ取られるな、プロの流儀だ”(『アリス・クリードの失踪』)
 こういう仕事もある

“晴れた日には誰かが死ぬ気がする”(『ザ・タウン』)
 むやみに怖いセリフ

“私から何かを奪った者は、家族も主治医も皆殺しだ”(『ツーリスト』)
こういう人もいるし

“太陽を見てたら答が出た”(『ビー・デビル』)
 良い答でありますよう…

“何を言ってるのかわからないが、演説は上手い”(『英国王のスピーチ』)
 褒めてるのか?

“嘘つきは嘘つきを見抜く”(『ザ・ライト エクソシストの真実』)
 今年は正直に行こう

“悪しき者は追われなくても逃げる”(『トゥルー・グリット』)
 今年は清く行こう

“あんたも私の元カレになる”(『スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団』)
 ツワモノ女子

“ペニスなんて毎週、何百本も見てるから”(『抱きたいカンケイ』)
 ツワモノ女子その2

“匂ってる。あの女と寝たのね!”(『キラー・インサイド・ミー』)
 ツワモノ女子その3

“下半身を出すなんて、たいしたことじゃない”(『アジャストメント』)
 ツワモノ女子その4

“俺は「ひとり無敵艦隊」だから大丈夫”(『ガリバー旅行記』)
 こう言えたらツワモノ男子

ジョニ・ミッチェルのファンにストレートの男は少ない”(『キッズ・オールライト』)
 自分がジョニ・ファンじゃない理由がわかった気がする

“すべては俺が人生で選んできた結果”(『127時間』)
 こんなアホなブログの更新にも、結果は伴うはず

“あなたは年齢とともに磨かれる。でも私は老いていくだけ”(『クロエ』)
頑張れ!

“世界で10人しかできないヨガのポーズができた”(『ファースター/怒りの銃弾』)
 やればできるんだから

“噛みつくような情熱で踊れ!”(『ブラック・スワン』)
 頑張ります!


 以上、上半期公開分。下半期分は明日には。画像は『スコット・ピルグリム〜』の劇中、ライブハウスでガンガン鳴ってたBLACK  LIPS『O KATRINA』のUK盤7インチシングル、2007年リリース。

ダウンしねえぞ!

gakus2011-12-31

 今年やたらと映画の中で聴いた気がするELECTRIC LIGHT ORCHESTRAだが、中でも"DON'T BRING ME DOWN"は3度は聴いている。『スーパー・エイト』では最初の方で、舞台となる田舎町で鳴り響いていた。『宇宙人ポール』ではポールが死んだ鳥を生き返らせ(そして、××して)るシーンで流れる。来年1月日本公開のアダム・サンドラー主演作『ジャック&ジル』でも前半で切実にフィーチャーされる。ハリウッドで今年もっとも重宝されたナンバーということで、これを収録したELO、1979年のアルバム『DISCOVERY』を。

 今年は気持ち的に、この歌のように何かと"DOWN"になりがちだったなあ。来年は少しでも上を向いて暮らしたい。というわけで、今年もお世話になりました。良いお年を!

地球は悲しげに回ってる

gakus2011-12-29

 おそらく来年には日本公開される『APOLLO 18』を輸入DVDで見る。『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフ監督がプロデュースしたフェイク・ドキュンタリー・ホラー。

 アメリカのアポロ計画は17号で終了とされているが、じつは極秘裏に18号が打ち上げられていて、その船内外のカメラがとらえた映像を再編集した…ということになっている。3人の宇宙飛行士を乗せたアポロ18号は月へと向かい、母船に残ったひとりの連絡員を除く、ふたりが月面着陸に成功する。そこで彼らが見たものは、ソ連の月面探査機と宇宙飛行士の無残な亡骸。やがてふたりは、想定外の事態に直面し…。

 何に直面するのかは予想されるとおりなんだけど、フェイク・ドキュメンタリーのぶん説明がいっさいないから、得体のしれない怖さを感じさせる。一方で、見捨てられることの恐怖を伝えている点が味。月面に置き去りにされたら、どう考えても生き残れそうにないし…。結局、人間の判断が何より怖いということか。

 エンドクレジットではJODY RAYNOLDSの陽気なロカビリー・ソング("DARK SIDE OF THE MOON")が流れるが、これはオチャメなフィーチャー。続いて聴こえてくるTHE PARKING LOT"WORLD SPINNING SADLY"は、けっこうシミる。アウタースペースから覗く地球が悲しげに見えるのは、人間の業の深さゆえなのかもしれません。そういう意味ではDAVID BOWIE"SPACE ODITY"に通じるものがある。

 ジャケはサイケデリック最盛期、1960年代後半のUKビートを集めたコンピレーション『INSANE TIMES』。"WORLD SPINNING SADLY"は、このアルバムの他、いくつかのサイケ・コンピで聴けます。

SHINY UNHAPPY PEOPLE

gakus2011-12-28

 周囲の評価がやたらと高いDVDスルーのブラジル映画『エリート・スクワッド』。これが本当に面白い!

 ブラジル、リオデジャネイロのスラムを舞台に、警察の特殊部隊BOPEのドラッグ・ディーラーとの闘いを徹底したドキュメンタリー・タッチで描く本作。その隊長のモノローグに沿って展開し、ひとりの若い警官がBOPEの一員となるまでのドラマが繰り広げられる。汚職まみれの警察を抜け出し、ギャングをひたすら敵とみなすBOPEへ志願する若い警官マティアス。当初は理想を抱いていた彼も、『フルメタル・ジャケット』級のBOPE昇進までのシゴキを経験し、また正義と悪のグレイゾーンの広さの実態を知り、以前と同じではいられなくなる。

 『シティ・オブ・ゴッド』の壮絶さを、官憲の立場から描ききったと言っても良いと思う。なんでも、監督のジョゼ・パヂーリャは本作が認められ、ハリウッドで『ロボコップ』のリメイクを撮ることになったとか。こりゃあ、期待できるぞ!

 マティアスがBOPEに志願する警官(兼法学生)だった時期、彼は同じゼミの女子大生と学生たちによるパーティに出かけるが、そこで流れているのかR.E.M."SHINY HAPPY PEOPLE"。タイトルどおりのドアッパー・ソングは理想を抱きつつもドラッグもキメたいお気楽学生たちの気分を代弁してるが、マティアスはやがてそこでは生きられなくなるほどの絶望を味わう。そういう意味では、皮肉のキツい選曲。

 ジャケは先ごろリリースされたR.E.M.、"SHINY HAPPY PEOPLE"収録のベスト盤『PART LIES, PART HEART, PART TRUTH, PART GARBAGE 1982-2011』。このバンドの解散は、今年の一大事だったなあ…。本作のライナーによると、マイケル・スタイプ楽天的過ぎるこの曲をあまり気に入ってはいない模様。ギターのピーター・バックだけは”大好きな曲”と言ってます。


エリート・スクワッド [DVD]

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↓続編もあり

今日は何の日?

gakus2011-12-26

 CDジャーナルのサイトには音楽・映画関連の”今日は何の日?”が掲載されていたけれど、そこにも載っていなかったのが『エクソシスト』全米公開。1973年12月26日、全米わずか50館で公開されたこの映画が、あっという間に社会現象と化したのは周知のとおり。製作25周年時に製作されたドキュメンタリーでエレン・バースティンが語っていたが、この日のNYは朝から雪が降っていたにもかかわらず、上映4時間前にして映画館の前には長蛇の列が出来ていたという。

 このブログらしいネタをひとつ披露すると、やはり同ドキュメンタリーからの話だが、本作の音楽はラロ・シフリン(オリジナル版『ミッション:インポッシブル』や『ダーティハリー』の御方)が当初手掛ける予定で、実際にオーケストラを使って録音もされたのだが、それを耳にしたウィリアム・フリードキン監督(当時はムチャクチャ短気だったらしい)は”使えねえ!”と怒り、”こんな音楽、この場所がお似合いだ!”と駐車場にマスターテープを投げ捨てたという。代わって起用されたのが、ご存じのとおり、マイク・オールドフィールドの"TUBULAR BELLS"だった。

 侮辱されたラロ・シフリンは、この直前、かの有名な『燃えよドラゴン』のサントラで大ヒットを放つのだが、もしこれが『エクソシスト』の直後に作られていたら、ブ
ルース・リーの怪鳥音入りのスコアは、より激情的なものになったのではないか…などと想像してみるのもオタ的な楽しみがあります。

 今日は本当に備忘録的な内容でした。ジャケは1973年リリース、MIKE OLDFIELD『TUBULAR BELLS』。

真実は、いまだ見えず

gakus2011-12-06

 "オルタモントの悲劇"から、ちょうど42年。↓「オルタモントの真実〜メレディス・ハンターはなぜ殺されたのか?」を読了したばかりだったこともあり、改めて当時のドキュメンタリー映画『ギミー・シェルター』を見直してみた。

ザ・ローリング・ストーンズ オルタモントの真実―メレディス・ハンターはなぜ殺されたのか!? (マーブルブックス)

ザ・ローリング・ストーンズ オルタモントの真実―メレディス・ハンターはなぜ殺されたのか!? (マーブルブックス)

 念のため、簡単にこの映画の紹介を。本作は1969年、ローリング・ストーンズが全米ツアーの締めくくりにオルタモントで行なった、50万人を動員するフリー・コンサートの記録として製作された。が、それは会場で起こった殺人事件により、ラブ&ピースの時代の終焉をとらえた映像と化してしまう。映画は悪名高き暴走族ヘルズ・エンジェルズのメンバーが、観客のひとり(メレディス・ハンター)を刺殺する模様をまざまざととらえている。

 「オルタモントの真実」の作者は、当時ストーンズのツアー・マネージャーだったサム・カトラー。ストーンズ・ファンにはライブ・アルバム『GET YER YA-YA'S OUT!』の冒頭でバンドを紹介する声の主としておなじみ。『ギミー・シェルター』の中では会見やオルタモントのステージで、その姿を確認できた。

 映画はハンター殺害以前から暴力沙汰が相次いでいたことを描いているが、何度見ても衝撃的なのはビリヤードのキューで観客を殴り倒す暴徒の姿だ。映画だけ見ると、この暴徒はヘルズ・エンジェルズの一員に思えるが、カトラーの著書によるとキューを握っていたのはエンジェルズの取り巻きな予備軍だったそうで、彼らはエンジェルズに入りたいがために過剰な暴力をふるっていたという。

 カトラーによると、当初ヘルズ・エンジェルズは機材を守るため、500ドル分のビールをギャラ代わりにして雇われたとのこと。しかし映画を見ると一目瞭然で、ストーンズのステージが始まるころには、彼らはステージの守護神のごとく立ちはだかっている。ここにも裏事情があり、当初は、あるうさんくさいスタッフが非番警官を動員してステージや観客の警備にあたることになっていた。が、そのほとんどは手におえないほどの会場の混沌を目の当たりにし、”こりゃ無理だ”と帰ってしまったという。結果的に、その役目がヘルズ・エンジェルズに回ってきた、というわけだ。

 DVDの監督らの音声解説でも語られているが、ヘルズ・エンジェルズは単なる悪役ではない。さまざまな要素が絡み合い、結果的に悲劇が起きてしまった、というのが正解なのではないか。

 見直してみて、改めて疑問に思ったのは、メレディス・ハンターはなぜ拳銃を所有していたのか? まだ、なぜあの場でそれを取り出さなければならなかったのか?ということ。ストーンズ関連の書物の多くは、それについてほとんど触れられておらず、ハンターは”かわいそうな犠牲者”として語られることが多い。先の疑問が解決されないかぎり、オルタモントの真実は永遠に見えてこないのではないか、とふと思った。

 「オルタモントの真実〜メレディス・ハンターはなぜ殺されたのか?」の直後に発刊された、当時のオフィシャル・カメラマンの回顧録「オルタモントのローリング・ストーンズ」は、これから読みます。

 ジャケは1971年、本作のサントラとしてリリースされたTHE ROLLING STONES『GIMME SHELTER』。

ザ・ローリング・ストーンズ / ギミー・シェルター〈デジタル・リマスター版〉 [DVD]

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